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「イエ」という理不尽な仕組み

昔の日本では結婚は家と家がするものであり、もちろんケースバイケースなのだろうが結婚相手は親が決めていたという話を聞いたことがある。
そういえば夏目漱石の「こころ」の主人公は、叔父からその娘をもらうように勧められたのを断り、最終的には自分の好きな人と結婚するという話だった(叔父の娘という事はいとこという事だろうが、その頃はいとこ同士での結婚も普通のことだったのだろうか?)。
この話などから「こころ」は、「個人主義」対「家族主義」の話だと僕は思っている。

その後の日本では、結婚相手を自分で決める事が普通になってきている。
そのことから、「イエ」という制度は過去のものというイメージがあるが、日本には、個人を「イエ」に縛りつける制度が残っているようだ。
その制度とは、戸籍制度である。

橘玲さんによると、現在では世界中に戸籍制度があるのはほぼ日本だけなのだという。
ネットで調べたところ、米国などは「「家」を基本にした「戸籍」ではなく、「個人」を基本とした「個籍」制度」になっているらしい。
そして、ちょっと信じられないような話だが、戸籍を持っていない無戸籍の人が日本には1万人以上もいるのだという。

橘さんは挙げている例だと「DV が原因で母子家庭になり、離婚できないまま別の男性との間に子供をもうけ、無戸籍のままになっている」人がいるのだそうだ。
そうやって生まれてきた子供は、自分に戸籍がない事を当然だと思って育つなどという事もあるらしい。

ネットでちょっと調べたところ、案の定というべきか、そのような子供は「小学校すら通えない、健康保険証がないから予防注射はおろか、病院に行けない、身分証明書がないからまともな働き口が得られない、結婚・出産も困難を極める。」そんな状態に陥るのだそうだ。

戸籍制度の弊害は他にもある。
両親が離婚した時、子供は両親のうちのどちらかの戸籍に入る事が普通と日本人は考えている。
しかし、このような単独親権の国は今では少数派で、世界的では共同親権が主流になりつつあり、離婚しても両親ともが親権を持つ事ができるのだという。
考えてみると両親ともが親として認められる共同親権の方が本来あるべき姿なのではないか?

このような単独親権の制度も、子供が「イエ」のものという考えがあるからと橘さんは言う。
そして、離婚母子家庭のうち実際に養育費を受給している世帯は全体の2割程度にすぎないという話も橘さんは書いている。

---以下引用
日本の男にとって別れた妻との子供は自分の子供ではないから養育費を払おうと思わないし、法的な制裁もほとんどありません。
父親側の親族が「うちの家の子供でもないのに養育費なんて払う必要はない」と平然と言い放つことも珍しくありません。
戸籍から出てしまえば他人なんだから面倒を見る必要はない、という理屈が社会的にも容認されているのです。
日本における2012年の母子家庭の相対的貧困率は先進国で最悪レベルの54.6パーセント。大きな理由の一つは別れた父親が子供の養育費を払わないことです。
---

このような酷い話がまかり通っているのは、日本人が「イエ」という制度を捨てる事ができないからなのだろう。

この事に追い打ちをかけるのが、以前の記事にも書いた終身雇用や第3号被保険者制度であろう(「終身雇用の問題点」、「実は専業主婦にとっても理不尽な第3号被保険者の仕組み」参照)。
日本の雇用が終身雇用的だから、一度会社をやめてしまった女性が正社員として働こうとしても働く事ができない。
第3号被保険者制度でサラリーマンと結婚した女性は、年金や健康保険料を払わなくても良いが、その資格は離婚と共にはく奪されてしまう。

これでは結婚したが最後、配偶者がどんなに酷い人間であろうとも離婚をする事は難しい。
日本人が「イエ」に縛られないためには、一生独身でいる以外にないのかもしれない。
日本人が「イエ」という理不尽な仕組みから抜け出せるのは、いつの時代になるのであろうか?

参考:橘玲「働き方 2.0 vs 4.0」
    「日本の「無戸籍者1万人」は、なぜ生まれるのか
    「アメリカには日本みたいな戸籍制度はないんです
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