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弱者のためにならなかった消費者金融規制(安易な弱者救済は弱者をさらに苦しめる)

橘玲さんによると「高利貸しが多重債務者問題を引き起こし、それが年間3万人を超える自殺者を生む」という主張から、上限金利の引き下げと総量規制が行われたという(改正貸金業法)。
総量規制の内容は「1社で50万円、または他社と合わせて100万円を超える貸付けを行なう場合には、年収の3分の1を超える貸付けを原則として禁止する」というもので、橘さんによると先進国でこのような規制を行っている国はないとの事だ。

「イギリスで上限金利導入の議論が起きたときに、「資金を必要としているひとが借りられなくなる」と真っ先に反対したのは消費者団体」だったという事もあったらしい。
イギリスにおけるこのような主張が正しい事は、結局日本で証明されたようで、「大手消費者金融は経営破綻するか、銀行に吸収されて消滅し」た一方で、「自殺者は一向に減らず、経済格差や貧困の問題はより悪化」したと橘さんは説明する(橘さんの記事には出てこないが、有名な消費者金融会社の多くが銀行に吸収されたと聞いた事がある)。
弱者を救おうとして設定された上限金利の引き下げと総量規制は、弱者を救う手立てにはならなかったのだ。
この事を橘さんは「金融業者をスケープゴートにしても貧困という根本的な問題が解決するわけはない」と説明している。

総量規制について原英史さんも同様の指摘をしている。
原さんによると「返済の見通しがある健全な借りてまで借りられなくなる」というイギリスでの主張と同様の指摘があったのだという。
又、むしろ闇金を助長するという指摘もあったのだそうだ。
そして、実際に法律が施行されると「甘い審査」や「総量規制対象外」を謳う街金業者の広告が目に付くようになり、施行前年に42万人だった闇金の利用者は、施行後には58万人に急増したのだという。
結局、消費者金融に対する規制をしても、消費者金融を窮地に追い込んだ事と、闇金業者を利用する事を増やす事にしか役に立たなかったのだ。

その事をなぜ事前に予測できなかったのであろうか?
歴史には同様の失敗があった事を原さんは指摘している。
「松平定信の寛政の改革や水野忠邦の天保の改革で多額の借金を抱えた御家人たちの救済策として、金利の上限を規制し、一時的に御家人たちを喜ばせた。」のだという。
しかし、この事によって貸金業者がお金を貸さなくなったため、御家人の生活はさらに苦しくなったのだという。

この事は消費者金融規制の問題に限らない。
韓国の最低賃金引き上げなども経済を悪くしただけだった(「韓国企業が自国から逃げ出している(空洞化を避けるためには法人減税が必要ではないか?)」参照)のに、その事を教訓にせず、れいわ新選組のように同じ失敗を繰り返そうとしている人達がいる。

せっかく歴史やニュースが失敗事例を提供してくれているのに、それを生かさないのはもったいない。
上記の事は、安易な規制が危険であるとともに、歴史を学ぶ事の意義を教えてくれているように思う。

参考:橘玲政治はいつもポピュリズム
    原英史「「規制」を変えれば電気も足りる」
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