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所得格差を小さくし消費を喚起するためにもグローバル化が必要?(グローバル化が格差を拡大するという説は怪しい)

グローバル化により格差が拡大、この事が先進国経済の長期停滞につながるという主張がある。
一般的に富裕層の消費性向(所得のうちどれだけを消費にあてるかを示す割合の事)が、低所得者に比べて低いと考えられるからだそうだ。
たしかに、低所得層では所得のほとんどが生活必需品などで消えてしまうであろうから消費性向は高くなるし、富裕層は所得の多くを貯えとして残しておけるであろう。
富裕層がさらに豊かになってもそれほど消費を増やす必要がなさそうなので、格差拡大が長期停滞につながるという説はなんとなく正しい気がする。
この事が正しいかどうかは、僕自身追々考えたいとは思うが、この主張が正しい事を前提に今回は記事を書きたい。

まず、グローバル化が格差を大きくするという主張は正しいのだろうか?

グローバル化で国内格差が広がるという説に原田泰さんが疑義を唱えている事を紹介したい。
「格差が拡大するメカニズムは、低賃金国の発展で、その低賃金労働が輸出を通じて、先進国の非熟練労働者の賃金を引き下げるということだった。」と反グローバル派が示している根拠について説明している。
この説明が正しいのであれば、たしかに先進国では格差が広がるであろう。

一方でこの説が本当なのだとしたら、低賃金国では格差は縮まるはずだ。
低賃金国が低賃金労働で生産した商品を先進国に輸出をした結果、先進国の格差が広がっているという事が本当なのであれば、低賃金国の低賃金層の所得は上がっているはずなので、低賃金国は一律的に格差は縮小するはずだからだ。
ところが、現実はそうなっていないと原田さんは説明している。
高賃金国で格差が拡大する国があるのは確かなのだが、中低賃金国でも格差が広がっている国があるらしいのだ。

また、日本で格差が拡大しているのが本当だとしても、それは「流通や外食や介護などの低賃金のサービス労働の拡大と思われる。」と原田さんは説明している。
説明したうえで「これらの産業は海外とは競争していない。」と格差拡大とグローバル化は無関係である事を示唆している。
たしかに、低賃金労働の多くがサービス業なのであれば、サービス業は海外との競争はあまり無いはずなので、グローバル化によって格差は拡大するはずがない。

次に国内格差ではなく、グローバルな格差がどうなっているかを考えてみよう。
橘玲さんは「先進国で格差が拡大しているのは事実だとしても、世界人口の大きな部分を占める新興国で広範な経済成長が実現したことで全体としてはグローバルな不平等の水準が下がっている。」と説明している。
橘さんが紹介しているデータによると、グローバルなジニ係数は1988年の72.2から2008年の70.5、さらに2011年には約67まで低下しているのだ。
国内格差はともかく、グローバルな観点で見れば、グローバル化によって格差はむしろ縮小しているのだ。

グローバル化が格差を大きくし、その事が経済の長期停滞につながるという主張はかなり怪しい。
仮に日本国内で格差が広がっているという主張が本当だとしても、グローバルで見れば格差は縮まっている。
仮に格差の縮小が経済成長に繋がると考えるのであれば、経済を発展させるためにも、更なるグローバル化を進めるべきであろう。

参考:原田泰「若者を見殺しにする日本経済」
    橘玲「働き方 2.0 vs 4.0」
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