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日本が豊かになるために上級財の輸出に目を向けよう

江戸時代の経済について、よく知られている話だと思うのだが、米価がなかなか上がらない一方、それ以外の嗜好品などは価格が順調に値上がりする状況が続いたようだ。
この事を「米価安の諸色高」などと言うそうだが、将軍吉宗などもどうやったら米価が上がるのか悩んだのだそうだ。
江戸時代の武士達は年貢として徴収したコメを売る事で生活していたので、米価が上がらないと生活が貧しくなってしまう。
実際「米価安の諸色高」が原因で武士達は貧困化し、内職などで食いつないでいた者も多かったとう話も有名な話であろう。

この事の一例として19世紀初めに行われた文政の貨幣改鋳後の状況について飯田泰之さんが本の中で書いている。
貨幣改鋳は貨幣の量を増やす事だから通常であれば通貨の価値が下がりインフレをもたらすはずだ。
実際、工業製品の価格は貨幣改鋳の影響で高騰したらしいのだが、豊作が続いた影響もあったせいか米価については、むしろ低下したのだそうだ。
面白いのは、豊作が終わった後も米価の伸びが芳しくなかったという事だ。

「「米価安の諸色高」を理解するためには上級財、下級財という考え方を理解する事が必要だと飯田さんは説明する。
・上級財:収入が増えた時に需要が増大する財(嗜好品やぜいたく品など)
・中級財:裕福になっても特に需要量が増えない財(トイレットペーパーなど)
・下級財:収入が増えると消費しなくなる財(発泡酒など)

17世紀頃の都市住民の経済水準は低くコメが上級財であった。
その後、都市住民の経済水準が上がるにつれて食糧が豊富になったのであろう。
18世紀に入ると都市住民、特にある程度の購買力を持つ商工業者は「豊かになったからもっと米を食おう」とは考えなくなった、つまり、コメが上級財から中級財に変わったのだと飯田さんは説明する。

この事はこれから日本が経済的に復活するヒントになるのではないか?僕はそんな気がしている。
当ブログでもたびたび書いてきた事だがアジア諸国が急速に経済発展を遂げている。
という事は、上級財を欲しがる人が増えているという事だ。
そのような上級財をどうやってアジアの人達に売っていくかが日本経済の復活に大きく関わるのではないか?
実際、日本のリンゴは高級品だとして中国あたりでよく売れているという話を聞いた事がある。
価格が高く海外との競争に負けてしまう事が懸念されている日本の農作物だが、経済発展を遂げているアジア諸国相手であれば喜んで買ってくれるはずだ。
農作物に限らず、高機能、高性能、デザインなどに優れた製品作り、それをアジア諸国に売る事ができるかが重要になってくると僕は考えている。

飯田さんの話でもう一つ重要なのは、現在の上級財が未来も上級財であるかは分からないという事だと思う。
今は高級リンゴとしてアジアで重宝がられている日本のリンゴも、10数年先には普通のリンゴとして中級財、下級財になっているかもしれない。
そのためには新しい上級財を生み出し続ける事が求められるだろう。
そのためにも、個性を伸ばす教育(文科省が全国の学校の教育内容を一律的に決めてしまう仕組みでは無理かもしれない)や、外国のモノをどんどん取り入れるような仕組みを推進する事によって新しい発想、新しい製品、サービスを生み出す必要があると僕は思う。
そのためにも規制を強化する動きや保護主義的な考え方は排除されなければならない、僕はそう考えている。

参考:飯田泰之「歴史が教えるマネーの理論」
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