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フリーエージェントという働き方が普通になるかもしれない

1980年代の話だが、生産手段と労働力の関係について堺屋太一さんが本に書いていた事を覚えている。
生産手段とは、農家であれば農機具、小売店なら店舗や商品、製造業なら工場や部品などの事だ。

中世までは労働力である労働者が生産手段を自分で所有していた。
農家であれば鍬や鎌、鋤などが生産手段になるわけだが、それらの物はそれほど高価ではないので個人で所有できたわけだ。
この事を「生産手段と労働力の一致」という言葉で堺屋さんは表現していたと記憶している。

それが近代になってから変わった。
近代というのは大量生産の世の中で、大きな工場で物を大量に作るようになった。
労働者が工場を所有するのは無理で、資本家、もしくは法人が生産手段である工場を持ち、労働者はそこに労働力を提供するだけの存在になった。
この事を「生産手段と労働力の分離」というのだと記憶している。

それでは、今後はどうなっていくのだろうか?
既に1980年代に堺屋さんは言っているは「各個人の知恵が生産手段になる」というような話だった。
例えば、コンピューターのプログラムはパソコンという道具こそ使うが、基本的にはプログラマが考えて作る物だ。
つまり、プログラマの知恵が生産手段であり、生産手段を労働者個人が持つ「生産手段と労働力の一致」が一般的になるというのが堺屋さんの説明だった。
そして、堺屋さんの予測は当たっているように僕には思える。
システムエンジニア、コンサルタント、インストラクターなど昔はあまりなかったと思われる職業に就く人が増えているように思えるのだ。
ゲームプロデューサー、ファイナンシャルプランナー、インテリアコーディネーターなども最近できた仕事であろう。
そして、これらの職業についている人の生産手段は「自分の知恵」だ。

橘玲さんによると、こういう「自分の知恵」を生産手段にしている人がフリーエージェントとして働く事が米国ではとても増えているらしい。様々な機関の推計では労働人口の16%~29%がこのような働き方をしているのだそうだ。
そういう働き方が必要とされる企業側の理由はコスト削減だが、労働者側にもフリーエージェントとして働きたいという理由があるらしい。
雇用主に自分の価値が分かってもらえないという不満と、自分の運命は自分でコントロールしたいという欲求が彼らをフリーエージェントにするのだという。
この傾向はリーマンショック後に成人した人達にはさらに強いようで、彼らは最初から会社(長期雇用)を信用しておらず、一つの職場に3年以上留まるつもりはないと考えている人も多いのだそうだ。

米国のフリーエージェントと同じ不満、同じ欲求を持ち、同じように会社を信用していないという人は日本人にも多いに違いない。
今の若い人は日本の経済が良かった頃を知らず、大きな会社が傾いたり潰れたりしたのを見ているので特に顕著かもしれない。
そう考えると、何かの技術を持ち、あちこちの会社を渡り歩く働き方が、これからは普通になっていくのかもしれない。

参考:橘玲「働き方 2.0 vs 4.0」
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