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北欧福祉国家に対する日本人の誤解

北欧と言えば福祉国家であり、競争や新自由主義とは無縁というイメージを持つ人が多いだろう。
北欧諸国が高福祉国家である事は間違いではないようだが、その一方で自由で激しい競争を取り入れてもいるようだ。

スウェーデンでは医師しかできなかった処置を看護婦にもできるように、看護師のやっていた事の一部はヘルパーでもできるように規制緩和をしたと上念司さんは説明する。
その結果、「ほんの少し医療的介護をすれば普通に暮らせる老人を病院のベッドから家に戻すことに成功した。」のだそうで、目的は競争原理を取り入れる事ではなく医療の充実なのかもしれないが、医者が近くにいなければ看護婦に採血さえさせずに医者を競争から守っている日本とは対極にあるらしい(「ワンコイン検診」)。

橘玲さんは北欧諸国は「「ネオリベ型福祉国家」と呼ばれており自己責任が当然とされています。」と説明する。
デンマークではかつて失業保険の給付期間が7年もあったのを、最長2年に短縮されたらしい。
それでも前職の給与の90%が保証されるので日本よりは恵まれているようだが、失業者に対してより厳しい態度で臨むようになった事がうかがわれる。
又、失業保険の給付には条件があり、失業したその日に求職者としてジョブセンターという所に登録しなければならないらしい。
それ以外にも失業手当を受給し始めてから3か月後には職業訓練に参加しなければいけないなど、失業者を遊ばせないための工夫もしているようだ。

最後にスウェーデンの話に戻るが、スウェーデンでは「企業を救済せずに個人を守る」と原則としていると八代尚宏さんは言う。
日本では中小企業を弱者とみなし、新自由主義の国と思われている米国でさえ大手自動車会社等を守る事があるのに対して、スウェーデンでは企業は救済しないを徹底しているのだと八代さんは説明する。

又、日本では累進性が少ないと批判されがちな消費税(付加価値税)を25%と高率にする一方、法人税率は22%と低く抑えられており、企業活動を促進する工夫がなされているという。法人税引き下げが金持ち優遇税制と批判されがちな日本とは対象的だと八代さんは主張する。
それ以外に、年金や失業手当に対しても所得税がかけられるという。

福祉国家というと生活が安定していて、競争も格差も少ないというイメージを持っている人も多いと思う。
実際には、競争原理を日米以上に厳しく導入、失業者などにも厳しく対応している面も多いようだ。
福祉国家では競争もなく豊かな生活を送れるというイメージは払しょくしなければならないと思う。

参考:上念司「じつは完全復活している日本経済」
    橘玲「働き方 2.0 vs 4.0」
    八代尚宏「反グローバリズムの克服」
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